やわらかい羽はとうにもげて仕舞っていたよ
それでもぼくは飛べる気でいたんだ

自由に
ふうわりと
どこへでも行ける気がして両手をひろげた

悲しみは消えて
いつかそこには花が咲くものだと信じていた
それ以上はなにも望みはしないから

小さな花でもいい
溢れるほどでなくてもいい
ただ、信じたかった

叫び声は遥か遠くへ
誰にも聞こえるはずなんてないことは
ずっとわかっていたはずだったのに

やわらかい羽はとうにもげて仕舞っていたよ
痛みすら感じさせず
静かに
そして、ぼくの知らないうちに






2005.07.12 (Tue)
' She did not know the art where the word was freely spun. '






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